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米リング誌「21人の専門家はこう見る」井上尚弥vsフルトンの直前予想でほとんどが井上の勝利を支持(海外の反応)

2024/05/045
ボクシンググローブ
ボクシング界で最も権威のあると言われる米専門誌「リング」で、「スティーブン・フルトン vs 井上尚弥 21人の専門家は次のように見ている。」という内容の予想展望記事が掲載されていました。21人分のコメントの概要を翻訳したのでご覧ください。(引用翻訳元 ringtv.com

以下、海外の反応


■「リング」の関係者 7名の予想

ダグ・フィッシャー編集長:井上のTKO勝利
「この試合では、ペースと距離を支配できるほうが優位に立つだろう。そして、スピード、パワージャブ、カウンターパンチ、厳選されたボディショットが交錯する面白い対決が期待できる。私は、フルトンの体格、経験、スタイルが、122ポンド・デビュー戦となる井上に多くの問題を提起すると考える。もしもフルトンがスティックアンドムーブ(打っては離れの動き)を実行し、長期間の打ち合いに巻き込まれずに粘れば、判定勝利への道が見えてくるが、より可能性の高いシナリオは、井上が中盤から後半ラウンドのどこかでフルトンを切り裂くことだ。フルトンは両腕でボディショットを放つことが好きで、その際に自分の頭が露出する傾向がある。彼は上半身の動きが良い反面ガードを下ろしっぱなしにする癖もある。フルトンにも一瞬の見せ場はあると思うがモチベーションを最大限に高めた井上がフルトンのボディを痛めつけ、8ラウンド以降にヘッドショットで仕留めると予想する。」

アンソン・ウェインライト:井上の3-0判定勝利
「井上がエリートなアフリカ系アメリカ人選手と戦うのは今回が初めてであり、フルトンの素早いハンドスピードとフットワークが井上に問題を起こすだろう。おそらく井上にとってこれまでで最も厳しい戦いになる。しかしフルトンにとっても未知の領域に踏み出すことにもなる。彼はフィゲロアを退けたとはいえ、井上はより洗練されたファイターだ。井上はフルトンのスタイルに問題を抱えながらも、常に一歩先を行き、116-112の3-0の判定で激戦を制するだろう。ホームでの試合は井上にとって大きな助けになると思う。」

リー・グローブス: 井上の11回KO勝利
「この試合は2人のタフな戦士による対象的なスタイルを楽しめるだろう。フルトンにも見せ場はあるだろうが、井上のアグレッシブさ、ボディパンチ、テクニックが最終的にアメリカ人を消耗させ、後半TKOに持ち込むと私は信じている。」

ディエゴ・モリーラ:井上の判定勝利
「井上のような一世一代の才能が、フルトンのような素晴らしい才能とのホームでの対戦で100%の状態でないと想像することは本当に難しい。人々は、ドネア第一戦で井上が時折脆弱に見えたことを過剰に考える傾向があるが、それは井上の準備不足や集中力の欠如ではなく、むしろドネアというレジェンドが長所を発揮したからだ。モンスターにとって通常よりも困難な挑戦が予想されるが、彼は大差の判定勝ちか、後半のストップで勝利するだろう。」

マーティ・マルケイヘイ:井上の判定勝利
「ちまたのペーパー上では『スティーブン・フルトンは、年齢、体格、ナチュラルウェイト、そしておそらく強靭さでも有利になっている』とされているが、「強靭さ」を「パワー」と混同してはいけない。バランス、スピード、テクニック、そしてパンチ力を融合させた井上尚弥に軍配が上がるだろう。どちらが勝つかは、このプレッシャーのかかる状況での冷静さにかかってくる。試合は中盤まではフルトンの反撃に遭うが、最終的には井上の正確なパンチを止めることはできないままに試合は終わる。井上が途中でノックダウンを奪ってスコアカード上でなおさら楽勝に見える展開も考えられる。」

ノルム・フラウエンハイム:井上の3-0判定勝利
「日本では、フルトンはSバンタムでデビューする井上の踏み台にしかならないとみなされている。洗練されたフルトンは、試合をスコアカードまで持ち込むだけの避けるテクニックを持っているかもしれない。しかし、井上のパワーと精度がダイナミックにミックスされてしまうと、特に終盤のラウンドでは手に負えないだろう。」

ロン・ボルヘス:井上のTKO勝利
「井上の圧倒的なパンチ力がフルトンの最大の問題になる。井上はこれまでライトフライ級からバンタム級までの世界タイトルを獲得した後、さらなる階級上げへのリスクを指摘する人もいる。Sバンタムでの試合は今回が初めてだが、体重の増加によってパンチ力が大幅に通用しなくなるという兆候はほとんどない。フルトンは優れたボクサーであり、当初は井上を苦しめるだろうが、最終的には井上のパワーが牙を剥き、フルトンを消耗させ、最終的にはノックダウンさせるだろう。試合の後半3分の1のどこかか、もしかするともっと早いかもしれない。」

(※他サイトピックアップ)


■その他ボクシング関係者14名の予想

デューク・マッケンジー (元3階級世界王者/テレビアナリスト): フルトンの2-0判定勝利
「この試合は間違いなくボクシング界の期待に応えるものになるだろう。井上のパワーはある程度までしか通じない。彼のトレードマークのボディショットはブロックやスリップやパーリングされるだろう。これまで井上は評判と自信を背景に相手を圧倒してきた。しかし、洗練されたパンチを持つ一流のフルトン相手では、答えが出ているように見える。フルトンはビッグパンチャーではないが、非常に良いオールラウンダーで、耐久力とエンジンが非常に優れている。井上は非常に不快なペースで戦わされ、アウトボクシングされるだろう。フルトンは井上の評判に威圧されることはなく、マジョリティディシジョン(2-0判定)で勝利するだろう。」

セルヒオ・モーラ(元Sウェルター級王者/解説者):井上のKO勝利
「井上のパワーとスピードは特別。フルトンは試合を壊さないことは出来ても、井上相手では12ラウンド戦い抜くことはできないだろう。井上のKO勝ちだ」

サム・グッドマン (Sバンタム級世界王座コンテンダー): 井上の勝利
「フルトンにとって最良のチャンスは、井上に彼の強靭さを感じさせ、そのサイズを活かすことだと思う。しかし、フルトンにとっては長い夜になる。井上が後半のラウンドでノックアウトするか、判定勝ちになると思う。」

トム・グレイ(リング元編集長):井上の10回TKO勝利
「オッズは井上に有利ではあるが、この試合は拮抗したものになるだろう。フルトンはプロで一度もダウンしたことがなく、その戦術的ノウハウで序盤の危険は回避できるはずだ。しかし12ラウンドは長い。フルトンが後退しながらうまく成功を収めていたとしても、そのうち井上が息詰まるようなプレッシャーでフルトンを消耗させることはほぼ間違いない。井上はリングを切断して相手の逃げ場をなくすことに長けており、攻撃的ファイターとしての存在感とポジショニングは、時間とともにフルトンのタンクを空っぽにしていくに違いない。井上は忍耐強い暗殺者であり、終盤には何か壊滅的な打撃で突破口を開く可能性が高い。そしてそれはレフェリーかフルトンのコーナーによって試合をストップさせることになるだろう。」

イライジャ・ピアース(ジュニアフェザー級):フルトンの2-1判定勝利
「井上には間違いなくパワーでは有利では有るが、フルトンには懐の深さとボクシングIQがプラスされているように感じる。井上はこれまでアフリカ系アメリカ人と対戦していないと思うし、それがパズルの非常に重要なピースだ。スタイルや動きだけでなく、作業速度の能力にも差があるように感じる。井上がそれをしらないことはフルトンに有利になるような気がする。面白い戦いになると思うよ。私はスプリットデシジョンでフルトンを支持する。」

ジョリーン・ミゾン(マネージャー):井上の3-0判定勝利
「フルトンは井上の耳を塞ぐようなボクシングをすると思うが、井上が快適な環境で戦っているという単純な事実と、試合感覚の活動面で少し優位に立っているという理由から、私は井上に軍配を上げる。フルトンにとって初めてのアウェーでの試合なので、プレッシャーも大きいが、もし彼がその部分をうまく克服できれば、私は自分の考えを訂正しフルトンを称賛するだろう。」

ジョー・ロトンダ (マッチメーカー、メインイベント): 井上の3-0判定勝利
「フルトンが本当に苦しい立場にいると思う。彼は井上の地元で戦うし、また最近試合がなかったという課題もある。彼が勝利を手にするためには完璧な戦いをしなければならないだろう。彼のパンチ力はあまり無いために12ラウンドモンスターを相手にする際に問題になるだろう。とてもエキサイティングな試合になり井上が全員一致の判定勝ちを収めると予想する。」

マーク・ラムゼイ(トレーナー):井上の3-0判定勝利
「フルトンは生粋のSバンタム級選手であり優れたボクサーだが、井上のプレッシャーを無効化するだけのパンチ力は持っていないと思う。それでも彼はノックアウトを回避し、時折競り合うことはできるだろう」

アレックス・スティードマン (コメンテーター): 井上の判定勝利
「最高の戦い。フルトンは確かにスピード、タイミング、鋭いパンチング、そしてフットワークの能力を持っている。しかし、相対的なパンチ力の不足と(13ヶ月ぶりの)試合勘の無さが命取りになるかもしれない。フルトンが勝利するためには完璧である必要があるかもしれないが、井上の危険性は常に存在する。当初、私はフルトンのスピードと体格で判定勝ちするのではないかと思っていたが、井上は歴史的な異次元の存在である。苦戦はするかもしれないが井上がノックアウトよりも判定勝ちする可能性が高いだろう。」

ルディ・ヘルナンデス(トレーナー):井上の勝利
「フルトンにとって不運なのは、井上というおそらく史上最強の日本人ファイターと戦うことだ。試合は慎重に始まるだろう。フルトンは動きもアングルもよく、ハンドスピードもある。ただ問題は、彼のパンチ力ではモンスターの襲来を止められないことだ。井上はタイミングが最大の持ち味で、Sバンタムでもそのパワーを発揮してくれると信じている。拮抗した試合から始まり両者とも何発か打ち合うだろうが、井上のパワーが勝敗を分けるだろう。井上が後半にストップをかけるか、3-0の判定で勝つと思う。」

ジョン・スカリー(トレーナー):井上の3-0判定勝利
「井上はテストされると思うが、非常に堅実に勝ち抜くと考える。彼のパワーが試合のほとんどを支配し続けるだろう。井上が3-0の判定勝利をおさめると思う。」

ボブ・サントス (マネージャー/トレーナー): フルトンの判定勝利
「この試合ではフルトンを推す。彼は距離をコントロールできてアウトボクシングで井上を困惑させると思う。私はフルトンのリングジェネラルシップとハンドスピードが好きだし、全体的に彼ははるかにクレバーなファイターだと思う。」

ロバート・ディアス (マッチメーカー): 井上の勝利
「フルトンの技量の高さゆえ、井上にとってこれまでで最もタフな試合になると思う。しかし、私は井上を特別な存在であると信じているし、偉大な選手はいずれも重要な場面で力を発揮する。井上が後半のTKOか3-0の判定勝ちでベルトを統一することになるだろう。」

ラウル・マルケス(元世界チャンピオン/解説者):井上の判定勝利
「フルトンは間違いなく派手なスキルがあるがパンチ力はない。彼はとにかく一貫してボクシングに徹する必要がある。井上はパワーとプレッシャーにすべてを賭けるだろう。これは五分五分の戦いではあるが。ホームタウンディシジョンに近い井上の判定勝ちを予想する。」

最終結果:18-3で井上勝利の予想が上回った。


当記事の翻訳は以上です。
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