ボクシング界で最も権威のあると言われる米専門誌「リング」で、「井上尚弥 vs ルイス・ネリ 20人のボクシング識者は次のように見ている。」という内容の予想展望記事が掲載されていました。20人分のコメントの概要を翻訳したのでご覧ください。(引用翻訳元 ringtv.com1)
以下、海外の反応
■リング誌関係者 6名の予想
ダグ・フィッシャー編集長:5-7ラウンドでの井上のTKO勝利
ネリは危険な挑戦者だと思うが、運動能力的に限界があり、またいくつか癖がある。そのために井上からゴング開始から強力で頻繁に打たれる機会を提供してしまうだろう。ネリは経験豊富なサウスポーではあるが、井上相手に10ラウンド持ちこたえたマーロン・タパレスほどの慎重さはなく、ネリには気持ちの強さはあるが、世界トップクラスのスピードや反射神経があるわけではない。井上は、試合序盤から、最近の対戦相手と比較しても、チャンスをより多くものにすると思う。
ネリはグローブを低く構え、パンチの殆どを円弧状の動きで繰り出す。そのため井上のジャブ、リードライト、そして爆発的なワンツーコンビネーションに完全に晒されるだろう。ネリが井上に対してジャブを繰り出そうとすれば、モンスターはタイミングの良いカウンターの左フックで彼を罰すると思う。
井上がネリのボディを狙えるかどうかはわからないが、彼のスピード、タイミング、正確さは、試合序盤にこの元気なメキシカンを唖然とさせて、もしかすると序盤に倒すか重大なダメージを与えるかもしれない。ネリはプライドが高くタフなので、中盤まで生き残って何発かカウンターのパンチを打ち込む可能性はあるが、おそらく後半に入る前に倒されるだろう。
アンソン・ウェインライト:井上の8回TKO勝利
井上は今が全盛期のようだ。ネリは良いファイターだが、井上は別次元のレベルにいる。井上がメキシカンを懲らしめた後、8ラウンド前後でメキシカンを倒すことで、非常に満足のいくストップ勝ちを収めると予想する。
リー・グローブス:井上の8回KO勝利
ネリは技術勝負のボクシングもできるが、喧嘩ファイトを好む。井上と喧嘩ファイトをする人は最終的には打ちのめされる。ネリは以前にも予期せずストップされたことがあるが(唯一の敗戦であるブランドン・フィゲロア戦を参照)、井上のスピード、パワー、テクニックの見事な融合は、再びそれが起きると私は信じる。やはり、この4団体統一王者と戦うには12ラウンドという時間は長すぎる。
ディエゴ・モリーラ:井上の8回TKO勝利
この惑星にいるほとんどの猛獣は、自分よりも大きなものには噛みつこうとはしない。パンサーがどれだけ噛みつきたくても、モンスターに噛みつくには無理がある。尚弥は誰よりもあらゆるものを兼ね備え過ぎており『パンテリータ』も例外ではない。「全盛期で適正体重なら絶対に負けない」という選手は世界でもごくわずかだが、尚弥は間違いなくその例外の一人だろう。数回ほどの興味深い瞬間を除けば、尚弥が一旦アクセルを踏めば試合は完全に異なるペースに切り替わる。その後に試合が終わるのは時間の問題になるだろう。
マーティ・マルケイヘイ:井上の3-0判定勝利
ルイス・ネリは、井上尚弥にとってこれまでで最大の挑戦者であり(日本での試合は体重超過とPED使用の履歴はあるが)、もしも尚弥が序盤に慎重にならなければ番狂わせを引き起こす可能性もある。井上はボクシングIQも高く問題にはならないだろうから、井上は序盤はじっくりとジャブとサークリングでネリの穴や欠点を探しながら、イライラを募らせていく戦い方をするだろう。 井上はドネアとの打ち合いでもパンチを受け止めることができたし、彼の足さばきを持ってすれば、もしもフラッシュパンチに引っかかったとしてもあらゆる問題から遠ざけるだろう。ラウンドが進むにつれて、井上のパンチの出力と精度が向上し、数回のノックダウンも併せれば、3ポイントかそれ以上の差で3-0の判定勝利が確定するだろう。
ノルム・フラウエンハイム:井上の6回KO勝利
井上尚弥にとってパーフェクトな嵐がルイス・ネリに解き放たれることになり、最終的にネリは、無期限追放処分を解除されたことを後悔するかもしれない。井上がパウンド・フォー・パウンド論争でテレンス・クロフォードを追い抜くべく、ネリを圧倒することを期待したい。
スポンサーリンク
(※他サイトピックアップ)
■その他ボクシング関係者14名の予想
デューク・マッケンジー (元3階級世界王者/テレビアナリスト): 井上の2-0判定勝利
「2人のハードパンチャーが直接対決するのだから、ノックアウトは保証されているはず、しかし私は判定に持ち込まれると思う。井上はノックアウトのエキスパート。異なる階級で2度の4団体統一世界王者。賭けのオッズは彼に有利に大きく積み重ねられている。彼はヘッドハンターだけでなく両腕とも強力に打ち込むことができる獰猛なボディパンチャーでもあり、目立った欠点は見つからない。ネリが大番狂わせを成し遂げる可能性はないわけではないが、そうなるには井上が戦いたい時に技術的なボクシングに徹し、逆に井上がボクシングをしたい時には勝負をかけて戦う必要がある。焦点になるのはネリがゴングを聞くことができるかどうか。判定で井上の勝ちを推す。」
スティーブ・ファーフッド(テレビアナリスト):井上のKO勝利
「ネリにパンチャーとしてのチャンスを与える誘惑はあるが、この対戦では彼が本当にパンチャーかどうか私は疑問だ。井上はライトフライ級からスタートし、その後サイズに関係なく誰でも圧倒してきた。井上が中盤ラウンドでボディパンチでKOすると予想する」
カミーユ・エステファン(プロモーター):井上の8回TKO勝利
ネリのパワーを考えれば、確かに興味深い試合ではある。井上は私にとってパウンド・フォー・パウンドで最高の選手だと思う。しかし、彼のスピードと正確さは、ネリにとってはあまりにも手に負えないだろう。井上がネリを8ラウンドでストップするのを見ても私は驚かない。
セルヒオ・モーラ(元Sウェルター級王者/解説者):井上のTKO勝利
井上-ネリーは素晴らしい試合になると思うが、私は井上のストップを支持する。ネリは素晴らしいボクサー・パンチャーだが、井上は歴代最高のパンチャーだ!ネリはバンタム級なら井上以外なら誰でも勝つと思うが、井上は止められないようだ。後半TKOで井上。
トム・グレイ(リング元編集長):井上の8回TKO勝利
ネリはSバンタムで井上にとって最も危険な対戦選択肢だと思うが、それでもネリが試合に勝つ道筋は見えない。井上のほうがすべてにおいて勝っているという状況だ。ネリは強打を打つが、井上はより強い強打を打つ。ネリのハンドスピードは速いが、井上はもっと速い。ネリは世界レベルの技術を持っているが、井上は超一流の技術を持っている。後半のどこかでボディ・ショットでネリの肺の空気を奪うと思う。
ジョー・ロトンダ (マッチメーカー、メインイベント): 井上のTKO勝利
2人のモンスターパンチャー、どちらもキャリア全盛期にいる。ルイス・ネリはキャリアを通じて、体重超過だったり、ブランドン・フィゲロアに敗れたりと、いくつかの不運に見舞われてきた。しかし、彼がモチベーションを保ち体調が整えば、ボクシング界で最高クラスに面白いファイターになれる。とはいえ、ネリに賭ける理由を井上が我々に与えたことは一度もない。井上は獰猛で、常に万全のコンディションを保っている。試合の中間を過ぎたあたりに井上がネリを猛烈に攻撃してTKOでストップすると思う。非常に楽しい試合になるだろう。
ロバート・ディアス (マッチメーカー): 井上の6回KO勝利
この試合は、この階級で最もハードパンチを持つ2人が対戦する。しかし違いはパワーやディフェンスだけでなく、精密さにも現れる。ネリは一発を当てるために一発を被弾するつもりで戦うだろうが、井上は打ち込んでも被弾しないことを示し、またしても自分が特別な理由であることを示すだろう。戦いが続く間は非常にエキサイティングだが、あまり長くは続かないだろう。結末は6ラウンドで、モンスター井上による壊滅的なKOで幕を閉じる!
リッチ・マロッタ (解説者): 井上の3回KO勝利
井上は非常に素晴らしく、歴史的に強力なファイターでもあり、番狂わせが迫っているとも思えない。また、ネリは自分自身の相当な武器庫を解放する前に接近することを好むというスタイルが不利に働く、まるでライオンの口にまっすぐ歩んで行くようなものだ。いやこの場合は「モンスターの口に」と言うべきかな。ネリが何発かのビッグパンチを着弾させて尚弥からダウンを奪っても驚かないが、それでも最終的には井上がKO勝利を収める以外の結果は想像できない。3ラウンド以内に井上のKO勝ちを予想する。
アレックス・スティードマン (コメンテーター): 井上のKO勝利
これはファンにとって楽しい試合と呼ぶにふさわしい。つまりどちらかが打ちのめされるということ。それはほぼ間違いなくネリになるだろう。前回のタパレス戦では、初めて井上が自分の名声に夢中になり、才能を無視してやや凡庸に見えてしまった気がする。今回はそのバージョンの井上にすがりたくなるが、それはほんのわずかの希望でしかない。ネリが好戦的に戦おうとすれば、彼自身に災いを招き、ファンの喜びのレシピにさせるだろう。井上が再び見事に勝利すると予想する。
ラウル・マルケス(元世界チャンピオン/解説者):井上の5回KO勝利
ネリは井上に何も提示するものはない。ネリは殴られるためにそこに存在するだけであり、井上はいつでも彼をKOできるだろう。井上の5ラウンドKO勝ち。
ジョリーン・ミゾン (マネージャー): 井上の9回TKO勝利
現在、彼を打ち負かすことができる人は誰もいないと私は思う。直近3試合で8、10、11ラウンドで相手を倒したので、今回私は9ラウンドを予想する。9ラウンドに注目せよ!もう一歩踏み込んで予想すると、ボディ・ショットでネリをストップさせるだろう。
ボブ・サントス (マネージャー/トレーナー): 井上のTKO勝利
ネリが海外に行って勝つのは優勝するのは難しいと思う。ただでさえ海外での世界タイトル奪取は難しいが、今回はP4P最高ファイターについて話しているのだから、勝利するのは非常に非常に難しい。私は井上の後半のストップ勝利を支持する。彼はパンチ力もスピードもありすぎる。
ウェイン・マッカラー (元世界チャンピオン/トレーナー): 井上の7回KO勝利
1敗しかないネリは、井上相手でも良いチャンスはあるだろう。彼も井上と同様に良い堅実なパンチャーなので互いを傷つける能力がある。ネリは井上に接近してパンチの交換を強いろとするだろうが。サウスポーの構えから繰り出すネリーの左ストレートは、井上には有効かもしれないが、井上の頭部への右ストレートに対して無防備になり右ストレートを受ける可能性がある。前半は接戦になるかもしれないが、後半は井上が徐々にネリのボディに左フックを打ち込み、7回あたりでダウンを奪ってアウトにすると思う。
ルディ・ヘルナンデス(トレーナー):井上のKO勝利
私はこの試合を、誰もが楽しめて、なぜ井上が世界最高のパウンド・フォー・パウンドファイター(私の中では井上はクロフォードに次いで2位)であるのかを示す興味深い試合だと見ている。井上がネリを6ラウンド以内にノックアウトで破ったとき、日本人や他国のファンに満足感をもたらすような素晴らしい試合になるだろう。
最終結果:20-0で全員が井上の勝利を支持した。(KO・TKO予想18人、判定予想2人)
スポンサーリンク
当記事の翻訳は以上です。 記事内容が「よかった 役に立った」と思われたらブログランキングの投票(【このリンクをクリックして投票完了】)してもらえると励みになります
■他サイト新着記事
コメントを投稿
別ページに移動します4 件のコメント
匿名
ネリの怖さは前に出ながらのコンビネーションで、尚哉はスウェイで相手の攻撃をかわすこともあるからよけきれずヒットする可能性はある。あとこの頃、亀になって相手の攻撃を防御することもするが、ネリの連打に対してそのディフェンス方法は危険かもしれない。まあ、井上選手のことだから対策してくるだろうけど・・・w
匿名
リップサービスでネリ勝利を予想することも出来ないほどの実力差ならやる意味ないんじゃないのか
匿名
ダグ・フィッシャーさん、
ノルム・フラウエンハイムさん、
ロバート・ディアスさん、
的中おめでとうございます。
匿名
なにより重要な点を的中させたのは「ネリが何発かのビッグパンチを着弾させて尚弥からダウンを奪っても驚かない」と書いたリッチ・マロッタ さんでしょう。